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文学少女!?の考察

映画・小説・漫画・お酒、そんな日常に隠れた文学をなんとはなしに書いてみます。

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切ない結びつき

『今度こそ誰も死なせることなく、生きていけるように。
そして傷ついた者たちがいつか幸福になれるように。』

そんな風に。生きれる時もあるし。頑張れない時もあるし。
でも。それでも。思う。

「誰もが幸福になれるように」

それは偽善だと言われることなのか。
推奨されることなのか。
道ゆくときに「世界が平和でありますように」という標識をみてさめることなのか。
誰という目的がなくても頑張れることなのか。



『ファーストラブ』 島本理生著


内容紹介 (文芸春秋公式サイトより)
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夏の日の夕方、多摩川沿いを血まみれで歩いていた女子大生・聖山環菜が逮捕された。
彼女は父親の勤務先である美術学校に立ち寄り、あらかじめ購入していた包丁で父親を刺殺した。
環菜は就職活動の最中で、その面接の帰りに凶行に及んだのだった。
環菜の美貌も相まって、この事件はマスコミで大きく取り上げられた。
なぜ彼女は父親を殺さなければならなかったのか?
臨床心理士の真壁由紀は、この事件を題材としたノンフィクションの執筆を依頼され、
環菜やその周辺の人々と面会を重ねることになる。
そこから浮かび上がってくる、環菜の過去とは? 「家族」という名の迷宮を描く傑作長篇。
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環菜はなぜ父親を殺したのか?
その問いかけを軸に、主人公の由紀さんと、由紀さんの年上の旦那さんの我聞さんと、
由紀さんと過去に何かあったのか?とにおわす環菜の弁護士であり我聞さんの弟の迦葉さん。

4人を軸に物語は進みます。


最近読んだ『盤上の向日葵』でも思ったことなのですが。
子供は「親」という呪縛から抜け出せれない。

『離婚とか、最近はみんな平気で言うけど、あたしの時代は考えもしなかったわよ・
だって子供はやっぱり両親がそろってるほうがいいじゃない。(中略)
あたしは自分の人生なんていいから、いつも家庭の幸せを第一に考えてきたのよ。』
言い訳めいては、いなかった。ただ本当にそう信じて疑わなかったのだ。
若かりし頃の、この女性は。時代か、教育か、個人的な資質か。
もう現代では機能していない、たくさんの過ぎ去っていったものたち。
(『ファーストラブ』 P290より)

その呪縛にとらわれているのは、親なのか、子供なのか、周りの人々なのか。

あまりにも。『ファーストラブ』に出てくる彼らは。
切ない結びつきで。悲しいような理解できるような立ち向かいたいような。

なんとも複雑な気持ちにさせられる切っても切れない人との結びつきを描いていました。

むかーしに読んだ島本さんの作品はラストがいまいちだったような記憶があるのですが、
近著の『わたしたちは銀のフォークと薬を手にして』も、今回の『ファーストラブ』も。
とっても納得のいくラストで、読み終えて、切なさを感じつつも爽快感のあるお話でした。

みんな、いろんなことに立ち向かっていこう!

『ファーストラブ』 島本理生 直木賞受賞納得の1冊でした!
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共感のない世界でしたが

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自分が戦っているのか、それとも逃げているのかなんてとっくにわからなくなっていた。
それでも手探りで僕は明日を探さなければならなかった。
(AGE22より)


「人は主体的に選択しているわけじゃないよ。君が(中略)ここにいるのも、
全て道因があるんだ。しかるべき理由がある。
つまりそうなるしかなかったんだよ。それを君は選択と呼ぶのかい?」
そういえば、自分もシャワールームで同じことを考えていた。
自分の選択というものは初めからないのかもしれないと。
(AGE32より)

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それでも、光太は。時に光也として。
立ち止まったり、衝動にかられたり、目をそらしたり、逃げたり、
打算的に対応したり、計画的に行動したり、そう圧倒的な実行力をもって。
駆け抜けた。

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無題 (6)



『チュベローズで待ってる AGE22/AGE32』 加藤シゲアキ著

友達が『乱世をゆけ 織田の徒花、滝川一益』なる本を勧めてくれたので、
勧め返したら、「メガネ彼の本全部読んでるね〜.。」とご指摘いただきました。
確かに読んでます。だって彼の本、先が気になる描き方なんすよ〜!

月曜の朝から通勤電車で読みだしたAGE22、
帰りの電車まさかの堺筋本町から本町で降りるはずが阿波座まで行ってしまうほど夢中に。
そして止まらず火曜の朝からAGE32に突入、先が気になって気になって気になって
一気に読んでしまいました。
怒りや憎しみや嫉妬は自分にはわかりにくい感情なのですが、
生きていくやるせなさゆえに生きていくという純文学的テーマを
男前の男子が男前に書いてくれてる、という印象でしょうか。

しかも寂しさゆえに何かを求めてしまうホストの世界、とか
誰が1番になるかという競争世界、
シャンパンがぶ飲みという無駄な消費、
まったく共感のないAGGE22の世界、からの
きらびやかな大企業、うごめく営利、
誰が誰を蹴落とすか、憧れと嫉妬、とらわれる過去、と、
これもまったく共感のないAGE32の世界。

とここまで必死に一気読みしといてまったく共感のない、チュベローズの世界観(苦笑)
でもたぶん描き方の問題だけで、シゲアキ(もう呼び捨て)の世界観には、
何かしら心惹かれるものがあるから読み続けるのだと思う。
(シゲアキ君ファンの方すいません。)

そこにあるのは、
4月恒例のバンドワゴンみたいなほっこりした幸せではないし、
共感できないし自分はそんな風になりたくないけれど、
わからない、なりに信を通し、家族を、恋人を、仲間を愛した、
一人の人間の菅田でした。

「チュベローズで待ってる AGE22/AGE32」 加藤シゲアキ著
皆様そんな共感のない世界へ、ぜひ。


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本当の悲しみとは

本当の悲しみとは。
なんなのか。

泣くことなのか。
思い出すことなのか。
忘れないことなのか。

「blank13」 齊藤工監督 高橋一生主演

借金を残して蒸発し13年間音信不通だった父が、癌で余命3か月であらわれたとき。


どれだけ迷惑こうむったんだ。と思っても家族と思うか。
どれだけ迷惑こうむったんだ。と思うから家族でないと思うか。
複雑な思いを抱えても家族というしがらみからはぬけられないのか。

家族は家族であり。
結局葬式とか舞い込んでくるのであり。
なんやねん会いたくなんかないと思っているのであり。
でも、やっぱり抗いたくても抗えない何かのつながりがあり。

そんな複雑ななんともいいきれない状況で迎えた13年のブランクを経てのおとんの葬式は。
俺の知らないおとんの13年間を変な奴らに知らされて。
なんともなんとも。悲しく。あるのである。

そんな時、おとんが大好きな子は、心底思うのだろう。
「俺かて、そのおとんの13年間一緒におりたかったって・・・」

一緒にいれなかった13年間を。悼み悔しみ。悲し・・・・・・・むのが、
人間の刹那なのではなかろうか。

「blank13」 齊藤工監督 高橋一生主演
13年のブランクに人生の細部がつまっているのかもしれない。
そんな映画でした。

追記:
どうせなら、でかいお寺で開催されてる松田家の葬儀より、
松田雅人さんのような葬式でお願いしたいです。

そういう風に私は、生きたい。

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町おこし

シャッター商店街、高齢化、働く場所がない地方の田舎町。
昔はにぎわってた、今は国道沿いのチェーン店やショッピングモールに客をとられた。
でもこのまま高齢化で人口は減っていくだけ、何もできることなんてない・・・・・・・

かつての高度成長期、団塊の世代は働けば働くだけ金がもらえた。
休みもおしんで働いた。子供の運動会なんてそっちのけでよばれたら現場にむかった。

うちの父は休みでも夜中でも電話きたら仕事先にかけつける仕事が一番の人だった。
初めてできた部下に休日出勤要請したら
「今日は休日なんで家族のために時間使いたいので行きたくありません。」
と答えられ母に「今の若いやつはそんなんなんか?」と言った、らしい。
その話を甥っ子にしたら「そんなん(休むのが)あたりまえやんか。」と言われた。

俺も、当然のごとく、思う。
「甥っ子の運動会なので休ませていただきます!」とwww
でも。父の時代は働くのが当然だったのかな。そんながむしゃらに働く父が好きだった。

・・・・・・話がそれました。さて今宵の話題は。


俺みたいなだらだら人間ではなく、
さびれかけた自分の故郷の町を、迷いつつ盛り上げようとした人々の話をしよう。

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『ねこ町駅前商店街 日々便り』 柴田よしき著

(Amazon 内容紹介より)
赤字ローカル線の終点・根古万知。
駅前は、わずか八店舗ほどが細々と営業するシャッター商店街である。
数年前、猫の町「ねこまち」としてブームになりかけたこともあったが、それも一時のこと、
以来、ジリ貧状態だ。離婚を機に、そんな町に戻ったラーメン店の娘・愛美は、
緑色の大きな目と灰色の毛が愛らしい拾い猫を飼うことになった。
ノンちゃんと名付けたその猫が、ひょんなことから一日猫駅長を務めると駅は再ブレイク、
商店街にも観光客が訪れる。愛美は久しぶりに賑わう光景を見て、
今度こそ、元気いっぱいだった頃の根古万知を取り戻したいと動き出すが…。

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動き出すが・・・・・・・

根古万知で生まれ育った人、
根古万知で生まれて都会に出て帰って来た人、
根古万知に居たのは束の間だったけど再び住み始めた人、
様々な人々が猫の「ノンちゃん」を起点に集結しなんだかんだと町おこしをしていくお話。

諦めたくない人もいる、そっとしておいてほしい人もいる、思い出したくないこともある、
でも思い出もある、気が付けば流れついた人もいる、頑張るのに疲れた人もいる、
今を維持することに精いっぱいな人もいる、傷ついて帰って来た人もいる、
何かしたい人もいる、何もしたくない人もいる、

でも、町がある限り、そこには何かが、起こる。

その流れを捉えることができるかどうか。
そこに町おこしのヒントが隠されているのかな?

現実は小説ほど甘くはないけれども。
『この町で生まれ、この町に戻って来た。そしてこれからも、この町で生きていく。』

そんな風に。私も私が生まれ育った町で生きていけるとよいな。
そんな風に教えてくれたお話でした。

『ねこ町駅前商店街 日々便り』 柴田よしき著
分厚いは、登場人物多いは、主要人物に信平さんと慎一さんがいて、
どっちがどっちかしばらく何度か数ページ読み返したし(苦笑)、だったけども、
楽しい読書でした。

皆様も是非、本の扉を開けて根古万知商店街の町おこしにでかけてみてください。

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恋~愛~未来への優しい道筋

「失恋バスは謎だらけ」 森沢明夫著

森沢作品、初めて読んだ作品は「あなたへ」でした。映画観てこの原作ってどんなだろ〜と。
そのあと「虹の岬の喫茶店」、「癒し屋キリコの約束」、「きらきら眼鏡」、
「エミリの小さな包丁」、「たまちゃんのおつかい便」と比較的最近の作品を読ませてもらってます。
(いつか青森三部作も、「夏美のホタル」もエッセイも読みたいな・・・と思いつつ、
まだ手がまわってないですが。。。)

さて。今回は。回ってきました図書館で予約していた新刊が。

「失恋バスは謎だらけ」


基本ネタバレ嫌いです。
なぜなら、何もない状態で作品を読んで、そのあとにみなさんの意見を聞いたほうが、
その本の内容を純粋に楽しめるかなぁと思うので。

でも。それでも。つい。人様のレビューとかみちゃうんですよねぇ。
内容にふれてたりネタバレしてそうなレビューは読み飛ばしちゃって、
書いてはったのを頭に残しつつ、星の数だけ覚えといて、
皆様のレビューを読んで再度見に行ったりしてみるのです。

今回は・・・・・・・そんなレビューをさらーーっと横目に見て、期待せずに読み始めたのですが。


この、ネタバレ嫌いの俺が、先に読み終えたおかんに、
1/4読んだあたりで、「これってこーいうことやろ?明らかにばればれやんwww!」
って言ってしまえるくらい、龍ちゃんと小雪さんの先が読めてしまいましたwwww
あまりにもあからさまなんで、いつもは俺のネタバレ嫌いを感じてノーコメントのおかんが
「せやなぁwwwお母さんが言わずともわかるよなぁwww」って言ってしまうくらいの!
明らかな!龍ちゃん、どんだけ鈍感なん!わかるって!!!!!!くらいの。

でも。

それをさしおいても登場人物たちの人としての当たり前の悩みとかうだうだに
なんかむだーに共感しちゃったり。
突拍子もない霊媒師とかロックンロールとか中国人に「おぉ!おもろいやん!」って思ったり。

「アホかいな!」とか「そんなおおげさな!」とか。なんせそーやって思うのに。
中途半端なキャラ立ちの中途半端なキャラクターたちの優しさとか暖かさを感じ、
そこそこの主人公二人の恋〜愛〜未来への流れを思う。

優しい。優しい。作品でした。

きっと。あなたの未来も幸せに満ちている、はず。


森沢さんの描く溢れる優しさや温かさや明るい未来に触れたくなったら。
読んでみると良いかも。です。

「失恋バスは謎だらけ」 森沢明夫著

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